川村隆
純情江戸前男児
 アタイはタカさんと結婚するからそこんとこよろしく。
 面倒なことや、逃げ出したいことがあっても、適当に飛ばさずにきちんと考えて結論を出そうとする真摯な子。色々なことに対してあまりに誠実に考えすぎているので、勢いはないかもしれないが、彼のような奴を真の男だと私は言いたい。出番が少なくても、
シングルスで勝ってないんじゃねえ?という疑念を抱かせても、いきなり米英なジーパンをはかされても、コノミにとっては寿司係程度の存在だったとしても、タカさんは愛されるべき存在だ。
 最初のうちは「好かれる人」というよりも「嫌われない人」という印象を与えるが、一つの集団で長いことやっていると、彼の優しさが皆に染みこんでゆく。不二をかばい腕を壊し、亜久津に液体(ソースだったか、ジュースだったか)をかけられてもキレない。タカさんの慈愛が世界を救う日もそう遠くなかろう。右の頬を叩かれたら、左の頬を差し出すが、その前に理由を聞いてくれる。おお…正にオアシス、救い主。
 ただ、あまりに優しいので、優柔不断な部分や気弱すぎる部分があるのも当然否めなく、そう言う押しが弱い性格の所為で、なかなか恋が成就しない。昔、不二のことを好きだったのだが、いろいろあって上手くいかず、現状に落ち着く。タカさんは固定観念や、世間の常識に、やや囚われやすいので、彼に悪気はなくてもすべてのことがスムーズに運ばないのは仕方のないこと。でも、みんなそうさ。気にするな!
 高校に入ったら、寿司屋の修行をしなければならないというのは昔からいわれていたことであるが、やはりテニスは続けたいと思っている。しかしきっとこのままテニスを止めてしまいそうな自分が悲しい。親に対して強く反論出来ないのがもどかしい。現実や将来を考えるとどうしようもないし、親は大切にしたい、という板ばさみの中、彼は外界に対する反発ではなく自己嫌悪を感じてしまうタイプ。それに、寿司屋の仕事もきらいじゃないのだ。
 
マンガの中で、時々やたらと冷めた表情でいる彼だが、それはこんな心理状況の一端の表れではなかろうか。ただ、早く大人にはなりたいと思っている。
 亜久津のことをいつも心配しているが、そのことをあまり口に出したいとは思っていない。亜久津が嫌がるし、何よりウソ臭く聞こえるからだ。ただ、ひたすら何かを食わせてやっている。お腹が暖かくなれば、心も次第に溶けてくる、というのが彼の持論。おいしいものは人を救うを信条に料理が上手。錦糸玉子も作れちゃう。
 音楽はJ-POPを中心に。「クラシックとかは難しくてね…」とかいっちゃう子です。ゲームはプレステ1しか持ってないわりに皆タカさんちへ集ってしまうのは畳とタカさんへの愛。
 服に対してこだわりはなし。お母さんが買ってきたものや、自分で買うとしても当り障りのないトレーナーとか、動きやすくて安いもの。ただし、彼はかなり体格がいいので試着してから買わないと入らないこともある。
 本当は亜久津のように、鮮烈で強引で一匹狼みたいな性格に憧れている。ラケットを持ったときバーニンするのは、完璧に人格が入れ替わっているのではなく、彼なりの切り替えであり、自己暗示だったりする。
 気はやさしくて力持ち、みんなタカさん大好きさ。



亜久津仁
模範的不良生徒
 タバコ吸っちゃう。部室で盗難する。メンチきる。一先ず殴る。己抱き。最高 じゃ ねーの!!。タカさんに液体をかける(ソースだったか、ジュースだったか)。伴じいにセクハラされる。以上見事な不良の図(最後のは違う)。
 なのになのになのに。厄介な人がほっとけない気の毒な性格。壇の小動物ぶりに騙され、千石のちょっかいを真に浮けまくり、菊丸のおねだり(巻上げとも言う)を断れない流されぶり。それじゃ越前に転ばされても仕方なかろう。
 彼において推論すると

 家庭にいろいろあってグレてしまう男は大抵純粋な奴である。

 あっくんは家庭にいろいろあった挙句グレている。

 ゆえにあっくんは純粋な奴である(数学的帰納法)

 一瞬「特攻の拓」の”武丸”に見えないこともなかったが、さみしんぼうな癖に人とつるめない喧嘩屋であることが判明。ヤンキーではなく孤独な不良で一匹狼。一先ず何に対してかわからないが日々ムカツキを感じているので周りから迂闊に突付かれると爆発→乱闘。原因があって暴れている、というよりは、暴れるために原因を探しているようなものだろう。ユウキちゃんを拒否しているが、それはあっくんが心のどこかで彼女から満足いくほど愛されていないと思っており、それに対する腹いせのようなものかもしれない。
マザコンだ。実は彼はずっと子供でいたいのかもしれない。
 幼馴染のタカさんとは対照的な印象だ。ユウキちゃんは夜のお仕事をしているので、子亜久津はいつも一人で夕飯を食べていたが、タカさんは彼をことあるごとに誘った。今もその名残があり、時々自分が練習で作った寿司を食べにきてもらう。亜久津は酒を飲むし、タカさんもザルなのでそういう時は日本酒も出てくる。最初、亜久津は、タカさんのそんな誘いが憐れみに感じられてたまらなく嫌だった。実際、そうであったのかもしれないが、彼が余りに真っ直ぐに自分のことを心配しつづけてくれるので、彼の心も氷解した。タカさんみたいな男を好きになる女がいたら、そいつはかなりいい眼力してんじゃねーの!?と思う。
 実は壇のことを一回グーで殴ってしまったことがあるが、あのキョーレツなシンパぶりは衰えることがなく驚かされた。今の段階で壇とどうこうはないが、海外留学(行くんです)後18歳で一時帰国したときに再び出会う。その頃は壇もけっこう大きくなって、テニスも上手くなっているが、相も変らぬ暴走&愛ぶりにほだされてしまう(アホだから)
 千石とちょっと雲行きが怪しくなった時期もあるが、おたがい嫌なほど似ている部分があることを動物的本能で察知しているので恐くて近づけない。でも千石はどんどん距離を詰めてくる。あっくん怯える→ストレスがたまる→爆発→乱闘(しかも関係ない人に)。どうしたものか。
 南のことはぜんぜん理解出来ない。二人とも沸点が低いので千石がいないとメンチ→爆発→乱闘(拳)。
 彼はまだ肉体的に発散する手段しか知らない。頭は悪くないのだが、繊細すぎたのだろう。
 魂はセンス良いので、外出時に赤いスエット上下とか恐い格好はしない。スカジャンもお洒落感覚で着ていたわりには菊丸に奪われて気の毒。あのユニフォームの腕まくりはあれだ、
青春の象徴だ(謎)
 でも、はっきり言って身近にいたら、ただの恐い中学生っていう気もする。



千石清純
…クレヨンしんちゃん?
 今まで一回も本気で人に謝ったことがないんじゃなかろうかと思わせる伊達男。メンゴ☆の威力は凄まじい。
 動物の本体に、理性と自由と臆病のソフトをインストールしてあり手におえない。ちょっと付き合っていると、こいつが切れた時はきっとすごい恐いんじゃなかろうかと思わせる。しかし実は彼の場合、ある一定以上の負荷が精神にかかると一気に感覚が麻痺するらしく、いつもと全く変わらない。むしろそれが恐い男。越前にボールぶっつけられてもラッキー清純。負けそうになってもラッキー清純。女に振られたときもラッキー清純。
 ただ。それが南の前では、ちょっと、ちょ〜っと崩れてみたり。キヨだって人の子ですから、南の鈍感さの前では、ちょっとぐらい自分の弱さに甘えてもバレないかな、とか思っちゃうのだ。でも南も南で、厳しいから、キヨが自分に甘えている、ってことぐらいはわかっている。
 亜久津にたいしてちょっかいだしまくった時期もあった。キヨは亜久津のような子の心の動きは手にとるようにわかるので、いじらずにはおれない。それは自分に似た者に対する好意であり、それと同時に凄まじい同族嫌悪でもある。キヨも、心の奥底には、自分の周りの環境に対するストレスや怒りがたまっているし、どうしようもない淋しがりやだということも自覚している。何故彼が不良にならなかったかというと、亜久津ほど純粋ではなく、ひねくれていたから。一人っ子。
 室町君がテニス部に入学してきた当初、一事件あって、紆余曲折の結果、今は彼にに信望されている。ただし、キヨはひどい男なので、時折、ピュアなムロマチェを傷つけるようなことをする。そして泣いているムロマチェを「ウソウソ、俺、室町君のこと大切な後輩だと思っているよ」と慰め、彼が悲しみと困惑と喜びが入り混じった表情で見上げてくれるのを非常に心地良く眺める。最☆低。しかし室もバカッ子なので千石に玩ばれていることに気がつかない。「大切な後輩」という言葉によって、予防線を張られていることにも気がつかない。
 三度の飯をきちんと食べない。「お金を使いたくなかった」とか「食べ物がなくて」とか適当な理由で食わないので見張っていないと痩せてゆく。お菓子すらあまり食べない。故に南は千石に対して「飯食ったか?」と、まるで中国人のような挨拶をする。食ってないと知ると、無理やり購買につれてゆく。でも、千石が自分で食おうとしないのは南が甘やかしたせいだったりする…。
 変食で基本的に野菜を食べない。お好み焼きともんじゃの中に入っているキャベツは彼の中では野菜とみなされていないのでOK。ホイコウロウや酢豚は存在すら許せない。特に酢豚。野菜の姿を残しまくった調理法が生理的に駄目な上に、かたくりの固まりが物凄く嫌。前、何となく食べてみようと口に入れたら途端にオエッてなってそれ以来諦めた。ペットボトルで飲み物を買うときはいつも水。味がついている飲み物はお腹がいっぱいになるのであまりたくさん飲めない。
 ガーゼの肌触りが大好き。実は小さい頃に大好きだった毛布のカバーがガーゼで作られていたからなのだが、千石自身はそれを覚えていない。
 夏場は超薄着。冬場も薄着。服をたくさん着ると苦しい気がするので一月とかでもぺらっぺらのシャツにジャンバーとかの日もある。靴下とかも、右と左がそろってないのでペアが見つからない時には履かない。素足に靴。特に南と遊ぶ日はそれが顕著。「寒くっても南が何か貸してくれるからいいや〜☆」と口では言うが、実はそんな軽いもんじゃなくて、南に優しくしてもらいたいと渇望している。
 好きな音楽はテクノ。しかし最近南の影響でR&Bもよく聞くようになる。南お勧めの恋の曲とかを聞くと訳も泣いてしまったりする。
 不安定なフェアリーボーイ。



南健太郎
スーパードライ
 背も高いし顔もいい。性格もさっぱりしているのでけっこう女の子にもてるが、それが長続きしないのはひとえに千石のおかげである。彼女が出来るたびに、その子が千石に惚れちゃったり、千石がかまってモードに入って女の子を疎かにしてしまったり、千石がその子の本性暴いちゃったりして結局すぐ別れることになってしまう。東方あたりは「そろそろ南キれてもいいんじゃねえか」と思っているが、健太郎はそんなことしても女の子が戻ってくるわけじゃないし、と流す。叱るのは別として、切れるというのは千石を物凄く傷付ける行為のような気がして南はやっちゃイケナイことの一つとしているのだ。千石がどうしようもなく欠落していて、淋しがりやであるということを知っているが、それを知っていることは秘密にしている。
 部長に指名されたからには役割を果たせないと悔しいのできちんとやっているが、けっこう辛い。朝とか早起きするのは苦手。亜久津が入ってきたときはマジでへこむくらい精神的にキた。はっきりいって一回部長という立場を忘れて亜久津とタイマンマジ喧嘩をした。だけど、テニスやってるから絶対怪我が出来ない。つかみ合いレベルで千石が仲裁に入ってくれ、かなりほっとしたというのは事実。
 自分に厳しい男。他人には優しいが、甘やかしてはくれない。ただし千石に対してあんまり厳しくすると、奴は自傷に走りかねないのでちょっと甘い。というか、千石どうしようもないところに惹かれている。
 食いもんには文句を言わない。何を出されようときちんと食ってご馳走様をいえる礼儀正しい子。ただ、電車の中で鞄の中からワックス出して髪の毛セットしちゃうくらいには現代子供なので大人の人の感覚で見るとお行儀が悪いこともしばしば。髪の毛のつんつんは彼なりにこだわっているので、いつも何となく触ってしまう。それをからかって千石も髪の毛をいじってくるのは物凄く恥かしいので嫌。
 服の趣味はとても良い。年齢に見合った元気な男の子な服を着ている。古着屋も大好き。最近買ったスヌーピーのTシャツは壇がかわいいかわいいといい続けてたのでさらりとあげてしまった。モノは大切にするし、節約する子なのだが、人が自分の持っているものを欲しがったり、羨ましがったりすると、けっこうすぐにあげてしまったりする子。
 周りからは弟か妹がいそうだと思われていいるが、本当は一人っ子。かなりドライな性格で、友人は多いし、休日に東方あたりと遊ぶこともあるが、本当にいきたいところにはさっさと一人で行っちゃう。ダブルスの相方、東方とは言動や考え方に似ている部分があるので、テニスのことに関しては衝突することも時折あるが、それがきちんと収束するよい関係。東方も南も人間関係に関しては結構大人なので、みんなに地味’sと言われても特に本気でむかつくわけでもない。ただ、千石からののたび重なる被害に東方はちょっと戸惑い気味。
 ジャンクフードが好き。ハンバーガーはマクドナルドに決まってる。
 ここまで書いて気が付いたが、南は千石さえいなければ、もっとスムーズに人生を送れたに違いない。本人もそれに気が付いているが、
あえて見ないことにしている。だって、だって、結局キヨのことほっとけないんだもん。そして、阿久津とも、もう少し大人になったら冷静に話が出来るだろう。二人とも真っ直ぐなオトコなのだ。


壇太一
最終兵器彼氏
 実は手ごわい。どれくらい手ごわいかと言うと、不二の次くらい(相当)。でも、この子は黒いわけでもなく、白いわけでもなく、そんなカテゴライズからはちょっと離れたところにいる。例えて言うなれば「最終兵器彼女」のヒロイン「ちせちゃん」並みの破壊力を持っているのではなかろうか。あの!あの亜久津が大切におもっている子なのだ。ちょっと殴ったぐらいで壊れるようじゃあシンパは勤まらない。
 亜久津先輩が大好き。ヘアバンド奪っちゃうくらい大好き。ずるずる落ちてくるヘアバンドはかわいさの演出かと思わせて本人にその気はあまりない。彼はいつか亜久津先輩のような男になりたいと言っているではないか。そんな壇に亜久津は越前を目標として提示ているが、それはどうか。あんたみたいなパンクスを目指してこそティーンエイジャーだろうが!!やんちゃしてナンボだ。いや、越前もやんちゃと言えばやんちゃだが、あっくんには敵わない。社会に拮抗してこそ思春期だぜ!!とまあ、亜久津は単に小柄な部分を生かすプレイスタイルを見習えと言っただけだろうが。それとも
小柄攻めを見習って俺を奪って欲しい、という、メッセージだろうか?それはそれでおもしれえな。
 思春期にはまだ入っていないような外見だが、中身ではかなり色々考えている。言語化するのが苦手で、自分の思考を理解できていない部分があるが、壇は亜久津の孤独も直感的に理解しているし、千石がぶっ壊れていることも判っている。南がそれほど優しい人間じゃない、ということも承知済み。
 壇は誰にも依存しない。亜久津にも依存しない。確かに彼を目標として追いかけてはいるが、今まで一度も亜久津に何かしてもらおうと思ったことなど無いのだ。一回、亜久津と一緒にいるところを見咎められ、亜久津と敵対している集団に絡まれたが、それは絶対亜久津に言わない。というか、そんなことを人に話そうとすることなど彼には思いもよらないのだ。人のことは人のこと、自分のことは自分のこと、というスタイルが身に染みている。だから、そのさっぱり具合に逆に亜久津が物足りなさを感じることがある。
 友達は大事にするし、挨拶や基本的なことはもちろん出来る子だが、恐ろしくさばさばしているので実はけっこう南と思考パターンが似ているのかもしれない。このまま上手い具合に背が伸びればポスト南も夢じゃない!?
 実は握力が強い、ジャンプ力がある、身体が柔らかい。まだ持久力はないが、選手として新しいテニス人生を歩み始めた彼は伸びてゆくだろう。
 学力は平均的。一先ず人並みの成績はとっておかなきゃ、程度の堅実さ。
 哺乳類よりも昆虫が好き。アゲハチョウの幼虫をわしづかむことが出来る猛者。
 服は小学校からの延長で非常に子供っぽいが、亜久津先輩を参考にカッコよくなるDEATH!と自分改造計画に乗り出す。あっクンは基本的に趣味はよいのだが、時々腕まくりしたり、ヘアバンドだったりとアホらしさがチラリズムしている。故に壇もそれを見習いかけるが、我らが部長南君がそれを押し留めてくれた。
 ダダダダーンとか言っているのは聞かなかったことにしよう。
 可愛い顔して油断していると、ズバッと切り付けてくる(しかも無意識)最終兵器彼女。



室町十次
天才的なフール
  物凄く耳が良く、絶対音感がある。姉はピアノの調律師をしていて、室町自身はヴァイオリンとピアノが弾ける。物音がすると、それがどちらの方向から聞こえるかがわかる。下手すると犬笛も聞こえる。
 対して、視覚に異常があり、何色かの色の区別がつかない。視覚的なハンデを補完するために耳がよくなったと思われる。本人は自意識が芽生えた頃から自分の色覚にコンプレックスをもっており、自らの中でそれを誤魔化すためにサングラスをかけた。それによって、余計無国籍じみちゃったが…。
 山吹入学当時は絶対にそれを人に知られたくなかったのだが、テニス部に入部して一番最初に千石が勘付く。千石は誰にもそのことを言わなかったが、時が経つにつれて、部活内で室町の目が色覚異常を抱えていることは皆の知るところとなる。室町は、最初に千石が気付いていたことは知っていたので、彼がばらしたのではないかと思い、強い反感をもつが、千石は特に弁明をしなかった。そこから、室町が自分の思い込みが間違いだと気付くのにしばらくかかるが、心が氷解すると、途端に千石になつきまくった。一皮ムけば非常に単純な、もとい
ピュアーな、男の子でした。
 千石に関しちゃただの
モブっ子。実際モブ。容姿が特出しているので、みんな何となく引っかかってはいるが、行動が部活内で目立つことはあまり無い。あのビジュアルに白ラン?とみな思っている。思っているけど室町本人にはいえない。怖いから。何となく。性格には加虐誘発性のある子なのだがそれを外見でカバーしている。
 あまり友達が居ない。クラスの中で休み時間話すような相手がいない。別につるんでないと落ち着かない性格というわけではないので室町本人はかまわないようだが、南あたりにいつも心配されている。
 記憶力が人並みはずれていて、物凄く頭がいい。だいたい理数系はクラスでいつも一番。高校生程度の問題ならば、見ただけで答えがどこにあるのかがわかる。ただし、漢字が読めない、そして、それ以上に書けない。国語はいつも破滅的な点数。チェスや将棋が物凄く強い。ただ、基本がピュアーな言動おバカちゃんなのでテニス部内でそれが認知されていない。
 テニスをやる上で体力や腕力が特出しているわけではないが、ゲームメイクが天才的。ラケットにボールが当った音を聞くとどこに飛んでくるかがだいたい判る。
 動物が大好き。猫や犬が居ると一先ず近付いてちょっかいを出そうとするが、いつも攻撃される。そしてクラスでは猫に引っかかれた手首の傷をリストカットだと勘違いされる。誰も真実が問えない。
 彼を能力の部分で分析するととんでもない天才少年なのだが、彼自身にそれを生かそうという気持ちがない。というか、自分はつまらない凡人で、いつも努力してなきゃいけないと思っている。誰か教えてあげようよ…。
 もちろん千石も、室町の数々の特殊能力に気付いているのだが、それを無自覚に生きたほうが幸せなんじゃないかなあと思っているので教えない。いちおう、苛めているようで、誰よりも室町を擁護している。よかったね。
 まるで、福音書に出て来るような少年。